第1話 転校生がやってきた!? ページ3
「転校生を紹介する。夜宮星河だ。」
先生が言い、ドアのほうを向いて手まねきする。
「え!?」
教室がざわめく。
入ってきたのは一人の男の子。
サファイアを思わせる、神秘的な青い瞳。背が高く、整った顔にクールな笑みを浮かべているその子は、わたしが今まで見た誰よりもカッコよかった。
「夜宮星河です。好きな事はサッカーと読書。よろしく」
サッカーと…読書!?
なんかすごい組み合わせだなぁ。
「サッカーやるのか!?」
「足速そう!きゃああぁぁぁ!」
「どんな本読むの!?」
一気ににぎやかになった教室で、教壇に立つ星河くんが小さなため息をもらす。
星河くんはこのクラスの星になるだろう。
はじめまして。わたし、天宮つばさ!
東京の私立月光学園に通う中学一年生……なんだけど。
今日は七月八日。昨日は星に願いをかける七夕で、珍しく晴れた日だった。だから、夜はダイヤモンドのような星がきらめいて、とってもきれいだったなぁ。
だったんだけど、七月に転校生!?
普通は学期の最初に来るのに……珍しいなぁ。
まぁ、わたしたちはまだ中学生だから、四月に来たら転校生じゃないんだけどね。
あ、自己紹介が途中だったよね!
わたしはうお座のAB型。性格は明るくてマイペースだってよく言われるよ。
成績は……ま、真ん中くらい?
真ん中であることを祈るよ……。
得意なことは歴史とタイピング。歴史が大好きで、最近は三級の検定を受けてきたんだ!いつか一級になることが夢だよ。
趣味は読書!いろんな物語を読んでるよ。
苦手なことは運動や絵を描くこと、手先を使うことかな……。
「夜宮の席は……あ、天宮のとなり、空いてるな!」
「え!?」
天宮って、わたし!?
いや、わたし以外ないよね。このクラスに天宮って名字の人、わたししかいないし……。
「そのボケッとしてる女子のとなりだ。」
「ええっ!?ボ、ボケッ!?」
先生ってばひどい!
わたしはボケッとなんてしてないよ〜!
「あの髪おろしてる人ですか?」
「ああ、そうだ。髪おろしてるボケッとしたやつだ。」
「先生!?」
さっきからボケッを強調しすぎじゃない!?
そんなにわたしってボケッとしてるのかなぁ……。うーん、謎。
それにそれで星河くんに通じるなんて……。
え、まさかわたしの第一印象って、「ボケッとしてる」?
それは嫌だよ〜!第一印象って大事なのに……。うぅ、ちゃんとすればよかった……。してるつもりだったけど……。
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作者名:たぴにゃん | 作成日時:2024年4月18日 18時